屋根裏に何かいる|音の正体を時間帯とフンで見分ける【2026年】

屋根裏の音の正体を時間帯・足音・フン・隙間の4つの手がかりで見分ける記事のアイキャッチ

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害獣駆除情報メディア編集部

害獣駆除業者の比較・料金情報を専門に扱うメディア。掲載する数値は各社の公式サイトで一次確認したものだけに限り、確認できない実績値は載せません。法令・制度は e-Gov 法令検索、環境省、消費者庁、国税庁の一次情報を出典としています。

夜中に天井の上でカタカタと音がして、目が覚めてしまう。翌朝には何ごともなかったように静かで、家族に話しても「気のせいでは」と言われる。屋根裏の音がやっかいなのは、正体がわからないと業者に何を伝えればいいのかもわからないところです。

インターネットで調べると「ドタドタと重い音なら大型の動物」といった説明がよく出てきます。ところが中野区が公開している資料は、ネズミが立てる音として「ドドド、バタバタバタ」を挙げています。重い足音に聞こえたからといって、体重3キログラムの動物とはかぎりません。音の大きさだけで種類を決めようとすると、最初の一歩で外します。

この記事では、①音がした時間帯 ②足音の質と動き方 ③フンの形状と大きさ ④入ってこられる隙間の大きさという4つの手がかりで候補を絞り込む方法を整理します。使う数値は、中野区・国立環境研究所・農研機構・大阪府立環境農林水産総合研究所・大阪市立自然史博物館が公開しているものに限りました。公的機関の資料で確認できなかった項目は、それ自体を「確認できなかった」と書いています。そこが埋まっていないことも、判断には必要な情報だからです。

屋根裏の音は4つの手がかりで絞り込む

結論から書きます。音だけで正体は決まりません。音は候補を出すための入口で、絞り込みを終わらせるのはフンと隙間です。順番としては、時間帯で大きく分け、足音の動き方で候補を減らし、フンで確度を上げ、入ってこられる隙間の寸法で最後の裏を取る、という流れになります。

屋根裏の音から正体を絞り込む4つの手がかりの順序音がした時間帯で候補を大きく分け、足音の動き方で候補を減らし、フンの形状と大きさで確度を上げ、入ってこられる隙間の寸法で裏を取る。4段階のうち上の2つは候補出し、下の2つは確定の材料という位置づけを示した図。音は入口。決め手はフンと隙間① 時間帯日没直後だけ/夜どおし/昼間も出典: 国立環境研究所・中野区候補出し② 足音の質と動き方縦に動くか、横に動くか/かじる音の有無出典: 中野区・国立環境研究所候補出し③ フンの形状と大きさネズミ3種はミリ単位で自治体が公開出典: 中野区(ネズミ)/害獣駆除110番(中型獣)決め手④ 入ってこられる隙間ネズミ1cm/コウモリ親指大/ハクビシン8cm出典: 中野区/自然史博物館/農研機構決め手※①②だけで断定しないことが、この順序の要点です
各段階の出典は本文中に個別に示しています。図は判断の順序を表したもので、動物の大きさや隙間の寸法を縮尺どおりに描いたものではありません。

なお、この記事が扱うのは屋根裏・天井裏で音がする場合です。壁の内側だけで音がする、水が流れるような音が混じるといった場合は、配管や建材が原因のこともあります。壁は内部にフンが見えないため判断の材料が変わるので、壁の中から音がする|害獣か配管かを切り分ける3つの確認のほうを先に読んでください。音より先に臭いで気づいた場合は、家が獣臭い原因|消臭剤では消えない発生源の見つけ方で、臭いから発生源を絞る順序を整理しています。

手がかり① 音が始まる時間帯

時間帯は、最も少ない労力で候補を減らせる手がかりです。とくに「日が落ちてから短時間だけ音がして、そのあと静かになる」という聞こえ方には、はっきりした意味があります。

日没の直後だけ騒がしいなら、コウモリの可能性がある

国立環境研究所の侵入生物データベースは、アブラコウモリの生態的特性を「夜行性。日没後10〜30分後に採餌を行う」と記載しています。さらに「5〜8月には日の出前にも採餌を行うが、10月は日没後のみ」とあります(出典:国立環境研究所 侵入生物データベース・アブラコウモリ)。

つまり、ねぐらから一斉に飛び出す時刻が生態としてはっきり決まっているということです。日没から30分ほどのあいだにバサバサという音が集中し、そのあと静かになります。5月から8月であれば、明け方にも戻ってくる音がします。この聞こえ方はコウモリと整合します。同じデータベースには、アブラコウモリが建造物や洞窟などをねぐらとすることも記載されています。コウモリだった場合の追い出し時期の考え方はコウモリの繁殖期・冬眠期はいつ?で扱っています。

昼は静かで夜に動き出すなら、ハクビシンも候補に入る

同じデータベースのハクビシンの項目には、生態的特性として「夜行性で昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩し夜になると樹上で果実や種子を採食する」と書かれています(出典:国立環境研究所 侵入生物データベース・ハクビシン)。屋根裏そのものが休憩場所として名指しされています。

この記載から読めるのは、昼間に静かなのは「いない」からではなく「寝ている」からかもしれないということです。同項目は「基本的に母仔を中心とした家族単位で生活する」とも記載しており、音が1匹分ではないと感じる場合の説明にもなります。ハクビシンの被害と対処はハクビシン駆除業者おすすめにまとめています。

昼間にも音がするなら、ネズミが残る

中野区の「ネズミの被害にご注意を」は、ネズミの活動について「夜行性のため、おもに夜間に活動します。ただし、安全だと判断した場合は、昼間でも活動する場合があります」と記載しています(出典:中野区・ネズミの被害にご注意を)。国立環境研究所 侵入生物データベース・ドブネズミの項目にも「主に夜行性であるが、害のない状態では昼間も活動する」とあります。

ここで注意したいのは、「昼間に音がする=ネズミ」ではないという点です。正しくは「昼間にも音がするなら、ネズミが候補として残る」です。夜だけ活動する動物は昼の音で否定できますが、ネズミは昼夜どちらでも説明がついてしまうため、時間帯だけでは絞りきれません。

イタチの活動時間帯は、公的機関の資料で確認できませんでした。国立環境研究所のチョウセンイタチの項目には、行動圏・繁殖・食性の記載はありますが、活動が夜間に偏るかどうかの記述がありません。多くの解説記事は「夜行性」と書いていますが、当サイトは裏を取れていないため書きません。イタチを候補から外す・入れるの判断は、時間帯ではなくフンと隙間で行ってください。

手がかり② 足音の質と動き方

足音は「重さ」より「動き方」を見てください。重さの印象は屋根裏の構造や断熱材の有無で簡単に変わりますが、縦に動くか横に動くかは動物の能力に紐づいています。

「ドドド」という重い音もネズミで説明がつく

中野区の同じページは、ネズミが立てる音を次の4つに整理しています。同ページは、ネズミが立てる音は天井や壁の内側で聞こえると記載しています。

  • 木をかじっている(カリカリ、ガリガリ)
  • 天井裏で走り回っている(ドドド、バタバタバタ)
  • 断熱材が入っている屋根裏を走り回っている(カサカサ、カサカサ)
  • 鳴き声が聞こえる。複数いる可能性が高い(チューチュー、キーキー)

「ドドド」が挙がっている点が重要です。体重で言えば、国立環境研究所の侵入生物データベースによるとクマネズミは150〜200グラム、ドブネズミは40〜500グラム、ハツカネズミは9〜23グラムです。一方でハクビシンは体重3キログラム程度(大阪府立環境農林水産総合研究所 哺乳類図鑑でも成体3キログラム程度と記載)で、桁が違います。にもかかわらず、数百グラムのネズミでも自治体が「ドドド」と表現する音は出るということです。音の大きさから体重を逆算する読み方は、ここで成立しなくなります。

縦に動くか、横に動くか

中野区の「ネズミの種類と捕り方」表は、行動パターンをドブネズミは「主に水平(横)行動」、クマネズミは「主に立体的(縦)行動」、ハツカネズミは「警戒心が強い」と区別しています。生息場所も、ドブネズミは「下水管、下水溝、植込み、公園等の地面」、クマネズミは「壁の中、天井裏、ビル内部の高いところ」と分かれています。

国立環境研究所のクマネズミの項目にも、「俊敏で登坂能力に優れ、細い針金でも、上手にわたることが出来る」「ビルや天井裏など比較的乾燥した高所に生活し、高さと幅が10cm位の空間が好まれる傾向がある」と記載があります(出典:国立環境研究所 侵入生物データベース・クマネズミ)。

壁の中を上下に移動する音がするなら、ドブネズミよりクマネズミが有力ということになります。これは中野区と国立環境研究所という別々の出典が同じ方向を示している、確度の高い手がかりです。ネズミだった場合の依頼先の選び方はネズミ駆除業者おすすめで扱っています。

かじる音がするなら、意味が2つある

中野区は、ネズミが硬いものをかじる理由を「一日に0.5ミリメートルずつ伸びる歯を削るため」とし、さらに「隙間を広げ通りやすくするためにもかじります」と記載しています。かじる音は、単なる生活音ではなく侵入口が広げられている最中の音でもあるということです。同ページはかじられるものとして電線・ガス管・壁・食品・家具・衣類を挙げています。

手がかり③ フンの形状と大きさ

ここが、屋根裏の音を扱う記事でいちばん抜けている情報です。2026年9月4日に検索上位の解説記事を読み比べたところ、鳴き声の擬音語は詳しく書かれている一方で、フンの形状や大きさに数値を添えているものはほとんどありませんでした。ところが自治体はミリメートル単位で公開しています。

ネズミ3種は、自治体が数値を公開している

種類ふんの形状生息場所大きさ(体長)
ドブネズミ「丸みがある。10から20ミリメートル」下水管、下水溝、植込み、公園等の地面22から26センチメートル
クマネズミ散らばって、細長く不揃い。6から10ミリメートル壁の中、天井裏、ビル内部の高いところ15から20センチメートル
ハツカネズミ4から6ミリメートル畑に多い6から9センチメートル
出典:中野区「ネズミの被害にご注意を」の「ネズミの種類と捕り方」表(2026年8月26日更新)を転記しました。同ページは「中野区で見かけることの多いネズミ」の3種を対象としており、色については「ただし、個体差あり」と注記しています。

屋根裏で「散らばって、細長く不揃いな6〜10ミリメートルのフン」が見つかったなら、クマネズミの可能性が高いと読めます。生息場所の欄が「壁の中、天井裏」となっていることとも一致します。逆に、丸みがあって10〜20ミリメートルのフンが地面まわりで見つかっているなら、屋根裏の音とは別の問題かもしれません。

あわせて中野区は、「体の汚れているネズミが、暗い夜間歩き回ると部屋の壁が部分的に汚れてきます。(ラットサイン)」と記載しています。国立環境研究所のクマネズミの項目にも「毛皮をたびたび壁にこすり付けるので、黒または灰色のサインが建物に残る」とあり、こちらも別々の出典が一致しています。フンが見つからなくても、壁ぎわの黒ずんだ帯は手がかりになります。

中型獣のフンは、業者が公開している解説を目安にする

ハクビシン・イタチ・タヌキ・アライグマのフンについては、当サイトが確認した範囲で、公的機関がまとまった比較を公開していませんでした。以下は東証上場のシェアリングテクノロジー株式会社が運営する害獣駆除110番の解説から転記したものです。自治体の資料とは出典の性質が違うため、参考値として扱ってください。

動物フンの特徴(業者解説)
タヌキ「楕円形のような形。大きさは約2〜3センチメートル。1か所にたくさん集まって5センチメートルほどのかたまりになっていることもある。消化しきれない動物の骨や果物の種が含まれていることがある」
ハクビシン・アライグマ長さ5センチメートル〜10センチメートル以上の丸くて長い形
イタチ先が細くねじれていることが多い(同解説も「多いようです」と留保した書き方をしています)
ネズミ・コウモリタヌキのフンよりも小さく、細長い形
出典:害獣駆除110番「一目でわかるタヌキのフンの特徴と見分け方」(2024年2月20日)。同ページは足跡についても、タヌキは指が4本で前足と後ろ足の大きさが同じくらい、ハクビシンとアライグマは指が5本で後ろ足のほうが大きい、と説明しています。

ネズミの表と中型獣の表を、同じ確からしさで扱わないでください。前者は自治体がミリメートル単位で公表した数値、後者は業者が自社サイトで公開している解説です。どちらも有用ですが、根拠の強さは違います。多くの記事はこの2つを区別せずに1つの表に並べていますが、読者が現物を前にして判断するときには、どこまで信頼できる情報なのかを知っておく必要があります。イタチかどうかを詰めたい場合はイタチ駆除業者おすすめ、タヌキが疑われる場合はタヌキ駆除業者おすすめもあわせて確認してください。

手がかり④ 入ってこられる隙間の大きさ

「うちには大きな穴がないから害獣ではない」という消去法は成立しません。公的機関が公表している数値を並べると、想像よりはるかに小さい開口部で入れることがわかります。

動物ごとに侵入できる開口部の大きさの比較ネズミは1センチメートル程度の隙間、アブラコウモリは親指大の穴、ハクビシンの成獣は一辺8センチメートルの正方形または直径9センチメートルの円から侵入できる。各数値の出典は中野区、大阪市立自然史博物館、農研機構。この大きさがあれば入れる(同一縮尺)ネズミ / 約1cm の隙間・穴出典: 中野区「ネズミの被害にご注意を」アブラコウモリ / 親指大の穴出典: 大阪市立自然史博物館 質問コーナー(2000年7月12日・学芸員回答。図は目安)ハクビシン成獣 / 一辺8cmの正方形直径9cmの円/短辺6cmの長方形も通過出典: 農研機構 2013年成果情報(成熟した成獣4頭・雄2頭雌2頭で実験)隙間が小さいことは、害獣を否定する根拠にならない※正方形と円は縮尺 1cm = 8px。親指大は寸法の公表がないため目安表示
ネズミとハクビシンの図形は同じ縮尺で描いています。アブラコウモリの「親指大」は出典が寸法を数値で示していないため、縮尺の対象から外した目安表示です。

ハクビシンは一辺8センチメートルの正方形から入れる

農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)が近畿中国四国農業研究センターの2013年の成果情報として公表した「ハクビシンは狭い隙間から侵入できる」は、要約で「ハクビシン成獣は一辺8cmの正方形、直径9cmの円形、6×12cmの横長の長方形、11×7cmの縦長の長方形の入口から侵入できる」としています(出典:農研機構・ハクビシンは狭い隙間から侵入できる)。

この数値を読むときは、試験の条件を一緒に押さえてください。同ページによれば、試験は繁殖可能な成熟したハクビシン4頭(雄2頭、雌2頭)を供試して行われ、研究期間は2008〜2010年度です。母数は4頭であり、すべての個体に一般化できる数値ではありません。同ページはさらに「長方形は、長辺を十分な長さ(20cm)にすると、短辺が6cmで侵入できる」とも記載しています。

実務上とくに効くのは、同ページの次の記述です。「日本の家屋は通気性を高めるために随所に隙間がある構造を有するため、ハクビシンが壁の間の隙間を移動することで、家屋内を自由に移動できる可能性がある」。屋根裏で聞こえた音が、後日まったく別の場所から聞こえるようになるのは、これで説明がつくことがあります。

点検の目安として、同ページは「家屋の天井にシミがある場合、屋根裏に侵入している可能性があるので屋根裏をのぞいて点検する」と書いています。天井のシミは、音と並ぶ確認しやすいサインです。

ネズミは1センチメートル、コウモリは親指大

中野区は、侵入路を塞ぐ項目で「ネズミは屋内と屋外を出入りする際に、1センチメートル程度の隙間や穴からでも、自由に出入りができます」と記載し、点検のポイントとして外壁の通風口・戸袋・エアコンの配管や水道管などのパイプ貫通部分・出窓の下部・屋根まわり、室内の換気扇・下水管・押入れの奥・戸棚の裏・配電盤などを挙げています。

コウモリについては、大阪市立自然史博物館の質問コーナーで学芸員が「アブラコウモリならば、親指大の穴があれば出入りできるので、かなり大変です」と回答しています(出典:大阪市立自然史博物館 質問コーナー・発言番号454、2000年7月12日)。同じ回答は「中にコウモリが閉じこめられると、中で死んで腐るので、まずはコウモリが夕方出ていく時間を調べて、全個体が出ていくのを確認する必要があります」とも述べています。塞ぐ前に「全部出たか」を確かめる必要があるという指摘です。

さらに同回答は「6-7月は、出産シーズンなので、中の子どもが残る可能性があります。コウモリを追い出すのなら、8月以降、冬眠に入る前に行なって下さい」としています。時期を誤ると、飛べない子どもが取り残されます。コウモリの依頼先はコウモリ駆除業者おすすめで比較しています。屋根裏ではなく居室に降りてきた場合の扱いは、コウモリが家に入ってきた|触らずに出す手順と今夜やらないことで分けて整理しました。

正体がわかると、法律上できることが変わる

正体を特定する意味は、対策が変わることだけではありません。法律上できることが、動物によってはっきり分かれます。ここを知らないまま捕獲に手を出すと、違法になりうる行為に踏み込みます。

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)第8条は、次のように定めています(出典:e-Gov法令検索・鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)。

「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」

ただし書が挙げるのは、第9条第1項の許可を受けた場合、第11条第1項により狩猟鳥獣の捕獲等をする場合、第13条第1項により同項に規定する鳥獣等の捕獲等をする場合の3つです。原則は禁止で、例外に当たるかどうかを自分で確かめなければならない構造になっています。なお同法第2条第1項は「鳥獣」を「鳥類又は哺乳類に属する野生動物」と定義しており、屋根裏に入る哺乳類は原則としてこの範囲に入ります。

法律そのものが適用されないのは、ネズミ3種だけ

同法第80条第1項は、適用除外を次のように定めています。

「この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護若しくは管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについては、適用しない。」

この「環境省令で定めるもの」を具体的に示しているのが、同法施行規則第78条第1項です。同項は「法第八十条第一項の環境省令で定める鳥獣のうち、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣は、次の表に掲げる鳥獣とする」とし、表に掲げているのはねずみ目ねずみ科の Rattus norvegicus(ドブネズミ)、Rattus rattus(クマネズミ)、Mus musculus(ハツカネズミ)の3種です(出典:e-Gov法令検索・同法施行規則)。

つまり、この法律が最初から適用されないのは、家に入るネズミ3種だけです。ハクビシン・イタチ・アライグマ・タヌキ・コウモリはいずれも第8条の原則が及びます。

なお、狩猟鳥獣に指定されていることと、住宅の屋根裏で自由に捕獲してよいことは別です。国立環境研究所は法的扱いとして、ハクビシンを「狩猟鳥獣(鳥獣保護法)」、チョウセンイタチを「雄は狩猟獣(鳥獣保護法)」と記載しています。チョウセンイタチは雄と雌で扱いが違う点は、とくに誤解が生じやすいところです。狩猟による捕獲は法第11条第1項の要件にしたがう必要があり、住宅地での実行は現実的ではありません。

コウモリについて、大阪市立自然史博物館の同じ回答は「コウモリ類を含め大概の哺乳類は、鳥獣保護法で保護されています。勝手に捕獲していいのは、大部分のネズミ類とモグラ類だけです」と説明しています(同回答は2000年7月12日付で、法令名は当時の呼称です)。この説明は、上で確認した第80条第1項と施行規則第78条第1項の構造と一致しています。

結果として、ネズミ以外だった場合の現実的な選択肢は「追い出したうえで侵入経路を塞ぐ」ことになります。そしてこの作業は、屋根裏に上がって開口部を全数見つけ、コウモリであれば全個体が出たことを確認したうえで塞ぐ、という手順を要します。業者に依頼するかどうかの判断材料は害獣駆除業者 比較に、各社の対応害獣と保証の一覧は害獣駆除業者ランキングにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. 屋根裏の音だけで動物の正体はわかりますか?

A. 音だけでは絞り込みきれません。中野区が公開している「ネズミの被害にご注意を」は、ネズミが立てる音として「木をかじっている(カリカリ、ガリガリ)」「天井裏で走り回っている(ドドド、バタバタバタ)」「断熱材が入っている屋根裏を走り回っている(カサカサ、カサカサ)」「鳴き声(チューチュー、キーキー)」の4つを挙げています。つまり重い足音に聞こえる「ドドド」もネズミで説明がつきます。音は候補を出す手がかりとして使い、フンの形状と大きさ、入ってこられる隙間の大きさを合わせて判断してください。

Q. 日没の直後だけ音がするのはどの動物ですか?

A. コウモリの可能性があります。国立環境研究所の侵入生物データベースは、アブラコウモリの生態的特性を「夜行性。日没後10〜30分後に採餌を行う」と記載しています。同じ記載によれば5〜8月には日の出前にも採餌を行いますが、10月は日没後のみです。日が落ちてから短時間のうちに音が出て、そのあと静かになるという聞こえ方は、ねぐらから一斉に飛び出す行動と整合します。ただしこれは可能性であり、確定にはフンや侵入口の確認が必要です。

Q. フンの大きさで種類を見分けられますか?

A. ネズミについては自治体が数値を公開しています。中野区の「ネズミの種類と捕り方」表では、ふんの形状をドブネズミ「丸みがある。10から20ミリメートル」、クマネズミ「散らばって、細長く不揃い。6から10ミリメートル」、ハツカネズミ「4から6ミリメートル」と記載しています。あわせて生息場所を、ドブネズミ「下水管、下水溝、植込み、公園等の地面」、クマネズミ「壁の中、天井裏、ビル内部の高いところ」としており、屋根裏で見つかるならクマネズミが候補になります。

Q. 隙間が小さいので害獣ではないと考えてよいですか?

A. いいえ、隙間の小ささは根拠になりません。中野区は、ネズミが屋内と屋外を出入りする際に「1センチメートル程度の隙間や穴からでも、自由に出入りができます」と記載しています。大阪市立自然史博物館の質問コーナーでは、学芸員が2000年7月12日付の回答でアブラコウモリについて「親指大の穴があれば出入りできる」と説明しています。ハクビシンでも、農研機構が2013年に公表した成果情報によれば、成獣は一辺8センチメートルの正方形から侵入できます。

Q. 屋根裏にいる動物は自分で捕まえてよいのですか?

A. 種類によって変わります。鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第8条は「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない」と定めています。同法第80条第1項は環境省令で定める鳥獣にこの法律を適用しないとしており、同法施行規則第78条第1項の表に掲げられているのはRattus norvegicus(ドブネズミ)、Rattus rattus(クマネズミ)、Mus musculus(ハツカネズミ)の3種です。したがってこの3種以外の哺乳類は、第8条の原則が及びます。

Q. 正体がわからないまま業者に問い合わせてもよいですか?

A. 問題ありません。むしろ正体の断定は現地調査の目的そのものです。ただし、音がした時刻・フンの写真・外壁や軒先の隙間の写真の3点を用意しておくと、電話の段階で見当がつき、調査当日の作業が具体的になります。フンは病原体を含む可能性があるため素手で触らず、大きさがわかるように硬貨や定規を並べて撮影してください。屋根裏に上がること自体に転落や粉じん吸入のリスクがあるため、無理に確認しようとしないでください。

今夜からできる3つの記録

正体を決めるのは、記憶ではなく記録です。屋根裏に上がらなくてもできることが3つあります。

  1. 音がした時刻を、日没との関係でメモする:「23時ごろ」ではなく「日没から20分後」「明け方4時台」と書き残します。国立環境研究所がアブラコウモリについて「日没後10〜30分後に採餌」「5〜8月には日の出前にも採餌」と記載しているとおり、日没を基準にすると意味が変わります。3日分そろえば、単発か毎日かも判断できます
  2. フンを見つけたら、硬貨か定規を並べて撮影する:中野区の数値はミリメートル単位なので、大きさの基準物がないと表と突き合わせられません。素手では触らないでください。あわせて、壁ぎわに黒ずんだ帯(ラットサイン)がないかも撮っておきます
  3. 外壁と軒先の隙間を、外から撮影する:中野区が挙げている通風口・戸袋・エアコンの配管や水道管の貫通部分・出窓の下部・屋根まわりを一周します。天井にシミがあれば、農研機構が点検の目安として挙げている状態にあたるので、その写真も残します

この3点があれば、問い合わせの電話で「何がいるかわからない」から先に進めます。調査を無料で行うかどうか、その無料にどんな条件が付いているかは業者ごとに違うため、依頼前に害獣駆除の見積書チェックで確認しておくと、当日の説明を鵜呑みにせずに済みます。

なお、屋根裏に自分で上がる必要はありません。天井板は人の体重を支える設計ではなく、踏み抜きによる転落事故が起きます。フンや断熱材の粉じんを吸い込むリスクもあります。確認は外側からできる範囲にとどめ、内部は調査に来てもらってください。

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